南関東を強い台風が通る……
そんなことはなかなかありません。
台風が通ることはあっても大抵は勢力が弱まってからのことです。
でも9月9日から9月10日にかけて通過した台風は、
勢力がむしろ強くなりながら接近して、
横須賀辺りを通り過ぎ、東京湾を通って千葉市付近に上陸しました。
「今回は危険です!」
気象情報では皆さん口をそろえて訴えました。
規模が小さいながらも強いので、急激に天候が悪化し、
台風慣れしない地域に大きな被害をもたらすかもしれない……と。
9日の昼のうちに、買い物を済ませ、
あとはおウチに籠るが吉、ということで、
とりあえず近所のスーパーに。
一応、合羽持ってチャリ漕いで行ったのですが、帰ろうとすると外は土砂降り!!
合羽着ても濡れそうな勢いなので、しばし雨宿り。
遠くで雲は割れ、青空がのぞいています。
幸い雨は一時的なもので、無事帰りましたが、怪しい天気です。
とはいえ夜の7時になっても8時になっても強風はなく、
しとしとと雨が降り出す程度。
小生、西国育ちなもので台風の経験はわりとあります。
一番印象に残っているのは、台風の目です。
木造の家が揺れるような激しい風と叩きつける雨の中、
魔法をかけたように雲が薄れていき、
風も雨も止んで静かになり、雲の隙間に青空が見えます。
と思ったら雲はまた次第に厚くなり、
風が逆向きに吹き始め、雨が再び降るのです。
お天気の不思議というか、自然の偉大さというか、
そういうものを目の当たりにした思いでした。
やっぱり関東の台風なんて騒ぐほどでもないのかな?
……なんて思っていたら、次第に雨風ともに強くなっていきました。
風は北ないしは北東から吹いているようです。
心配してくれた友人が電話をくれて、しばらく話をして気がまぎれました。
その後、念のため充電して置いた電池、ロウソクとマッチ、
飲料水、懐中電灯を確認しました。
日付が変わり、風雨はさらに強くなります。
なんだか眠れません。
どこかで、ガンガラガン、ガーン!なんて音が響きました。
なにか、大きめの看板のようなものが飛ばされてぶつかっているような音です。
その音は、間を置きつつもしばらく続いていました。
雨音は時々窓を撃ち、ゴーーッという風の唸りが窓越しに聞こえます。
怖いもの見たさで、風下側の窓をほんの少しだけ開けて、外を見てみました。
街路樹が激しく揺れ、雨もビシビシ降っています。
窓が揺れているのか、建物が揺れているのか、
怖くなってすぐに窓を閉めてしまいました。
ウチは格子はあっても雨戸がないのです。
怖くて結局、電気をつけたまま、眠れずにいました。
そして早朝、インターネットと電話が不通になりました。
(((( ;゚д゚)))アワワワワ
ですが、停電やガス、水道などは異常なく、
明るくなるとともに台風はやがて遠のいていきました。
インターネットと電話はおよそ5時間ほどして復旧しました。
でもこういう時って5時間でもネットができないと不安ですね。
一度、契約会社に電話をしてみたのですが、自動応答で、
「たいへん混み合っているのでご用件とご連絡先を90秒以内に……」
といった具合だったので、あれこれ察して電話を切り、待つことにしました。
しかし、世間の皆さんはもっともっとたいへんなことになっていて、
台風一過、電車は不通の路線がいくつもあり、
停電は90万世帯を超え、今も復旧していないところがあります。
亡くなられた方もいらっしゃいますし、家が壊れてしまったという被害も。
あらためて、自然災害の恐ろしさを思い知ることとなりました。
それでも、台風の進路を予測し的確に注意を促した気象関係の皆さん、
ライフラインを守り、被害に対応している皆さん、
台風明けの猛烈な暑さの中、仕事に向かった皆さん、
不自由な生活の中、復旧を静かに待つ皆さんほか、
多くの方々に感謝し、あるいは敬意を抱く次第です。
災害の多いところに生を受けたけれど、
思いやりをもって、いざとなれば皆で協力しあっていきたいですね。
早い復旧を祈ります。
2019年09月11日
南関東を強い台風が通るとき
posted by Yoshiko at 03:16| Comment(0)
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