2016年06月12日

トマト・ケチャップと紅生姜

古い本だ。
片岡義男さんの著書『紙のプールで泳ぐ』に
【ぼくならケチャップはハインツ】というエッセイがある。

BLTサンドの食べ方に始まり、
ハインツの14オンス瓶入りトマトケチャップに対する賞賛を経て、
クインテッセンスとはどんなものかに終わる。
その中で、印象深い部分がある。

「ハンバーガーというものは、
ケチャップをかけて食べるための『台』のようなものであり、
−中略−
そしてそのときのケチャップは、
ハインツのトマト・ケチャップでなくてはいけない。」

そう、ハンバーガーはケチャップを味わうために存在する、
ただの台なのだ。

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で。
私も同じようなものを見つけました。
それは自作の紅生姜を食べるときの牛丼です!

僭越ながら、片岡義男さんふうに言わせていただきますと、
「牛丼というものは、
紅生姜を載せて食べるための『台』のようなものであり、
−中略−
そしてそのときの紅生姜は、
梅酢に漬けた本当の紅生姜でなくてはいけない。」
ってことです!

そんなワケで、手作りの紅生姜が漬かると、
牛丼屋さんに行きたくなるのです。

松屋か吉野家に行って
(相方はす○やが好きじゃないそうで…)
もちろんお持ち帰りで、
牛丼抱えてすたすた帰り、
瓶漬けの紅生姜をお箸でつまんで、
載っけていただくのです。

牛丼には申し訳ないけど、
牛丼なんて単独でいただいても、
(まずくはないんだけど)
美味しいって目を輝かせるようなものではないのよね…。

それにそこいらに売っている紅生姜は、
塩や梅酢以外にアレやコレやが入っていて、
味もいまひとつ。

でも手作りの紅生姜は、
味がきりりと引き締まり、
生姜の香りが生きています。
まるで違うものを食べている感じなのです。


片岡さんのエッセイは、頭が良くて趣味の良い、
(そしてお金持ちの)ステキなよそのお兄さんが、
人生の楽しみを教えてくれるような感じでした。
今読み返しても、発見があります。


牛丼を食べるたびに、本当の紅生姜の味をかみしめ、
片岡義男さんとハインツのトマトケチャップにも思いを馳せるのです。



「紙のプールで泳ぐ」片岡義男 著
1985年12月15日 株式会社新潮社発行
ISBN4-10-349003-9
posted by Yoshiko at 03:12| Comment(0) | 日記